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年金の繰下げ受給で見落としやすい3つの注意点:1か月0.7%増える仕組みと、増えない部分がある理由

老齢年金は、受け取り始める時期を65歳より遅らせる「繰下げ受給」を選ぶと、その分だけ年金額が増えます。増え方は分かりやすい一方で、見落としやすい条件もあります。日本年金機構の説明をもとに整理します。
増え方の仕組み:1か月ごとに0.7%
繰下げの増額率は「0.7% × 65歳に達した月から繰下げの申し出をした月の前月までの月数」です。66歳以後75歳まで繰り下げることができ、最大で84%増えます(昭和27年4月1日以前生まれの人は70歳まで、最大42%)。増えた年金額は生涯続きます。
注意点1:増額されない部分がある
実は、加給年金額や振替加算額は繰下げによる増額の対象になりません。また、老齢厚生年金を繰り下げている間は加給年金額を受け取れないため、配偶者がいる人は「増える額」と「受け取れなくなる額」の両方を比べる必要があります。
注意点2:75歳を過ぎて請求しても増えない
65歳の時点で老齢基礎年金を受け取る権利がある場合、75歳に達した月を過ぎてから請求しても、増額率はそれ以上増えません。「遅らせるほど増え続ける」という勘違いには注意が必要です。
注意点3:本人が亡くなった場合
繰下げの請求は、遺族が代わりに行うことはできません。繰り下げている間に本人が亡くなった場合の受け取り方は、遺族が行う未支給年金の手続きになるため、家族にも制度を伝えておくと安心です。
基礎年金と厚生年金は別々に選べる
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、どちらか一方だけを繰り下げることもできます。たとえば、厚生年金は65歳から受け取り、基礎年金だけを繰り下げるといった組み合わせも可能です。
判断の前に
受け取り開始を遅らせると、その間の生活費をほかの収入や貯蓄でまかなう必要があります。健康状態や働き方、税金や社会保険料への影響も含めて、年金事務所や「ねんきんネット」で自分の見込み額を確かめてから決めると安心です。