
最終更新: 2026年9月
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海外で人材を採用したいが、現地法人を作るべきかどうか迷っている——多くの日本企業が直面する課題です。 本記事では、現地法人を設立せずに海外人材を雇用できる仕組みであるEOR(Employer of Record)について、 現地法人・業務委託・海外給与サービスとの違い、メリット・デメリット、そして「EORが適さないケース」まで、判断に必要な情報を整理します。
EOR(Employer of Record)とは、現地の法人格を持つ第三者機関が、企業に代わって現地スタッフの法的な雇用主となる仕組みです。 業務の指揮命令は依頼企業側が行いますが、雇用契約の締結、給与計算、社会保険手続き、現地労働法へのコンプライアンス対応は、EOR事業者が代行します。 これにより、企業は現地法人を設立せずに、正社員相当の待遇で海外人材を雇用できます。
現地法人を設立する方法では、進出先の国で登記・会計・労務体制を自社で構築する必要があり、時間とコストがかかります。長期的に大規模な現地展開を行う場合はコスト効率が良くなることがありますが、少人数からの採用にはハードルが高い選択肢です。EORはこの法人設立プロセスを不要にします。
業務委託契約は開始までのスピードが速く手続きも比較的シンプルですが、実態として雇用に近い働き方をさせると、現地法上「誤分類(misclassification)」とみなされ、追徴課税や罰則の対象になるリスクがあります。また、社会保険や有給休暇などの雇用保障を提供できません。継続的にフルタイムに近い形で働いてもらう予定がある場合、EORによる正規雇用の方がリスクが低くなります。
海外給与(グローバルペイロール)サービスは、既に現地法人を持つ企業の給与計算・支払いを代行するサービスです。EORとの決定的な違いは「雇用主が誰か」にあります。海外給与サービスでは雇用主は依頼企業自身(現地法人)ですが、EORでは雇用主はEOR事業者です。現地法人がない場合はEOR、既に現地法人がある場合は海外給与サービスが選択肢になります。
すでにその国で大規模な採用・拠点展開が確定しており、長期的に見て現地法人設立の方が合理的な場合は、EORより現地法人設立を検討すべきです。また、単発・プロジェクト単位の業務のみを依頼する場合は、業務委託契約の方がシンプルなことがあります。EORは「万能な解決策」ではなく、状況に応じて他の選択肢と比較検討することが重要です。
シナリオ例:日本のSaaS企業が米国営業担当を1名採用する場合
米国での販売を強化したいが、1名のためだけに現地法人を作るのは負担が大きい状況。EORを使えば、1名からでも雇用主機能(給与・社会保険・労務コンプライアンス)を任せられ、正社員相当の待遇を提示できるため、優秀な人材の獲得競争力を保ちやすくなります。
| 方式 | 雇用主 | 現地法人 | 導入スピード | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| 現地法人設立 | 自社 | 必要 | 遅い | 長期・大規模な現地展開 |
| EOR | EOR事業者 | 不要 | 速い | 少人数からのテスト採用 |
| 業務委託 | —(雇用関係なし) | 不要 | 最速 | 短期・プロジェクト単位 |
| 海外給与サービス | 自社(現地法人) | 必要(前提) | — | 既に現地法人がある場合の給与代行 |
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Q. EORと人材派遣は同じですか?
異なります。人材派遣は派遣会社が雇用主となり派遣先企業の指揮命令下で働く仕組みですが、EORは主に自社が業務の指揮命令を行い、EOR事業者は雇用主としての法的手続きのみを代行する形態です。
Q. 海外従業員が1名だけでもEORは使えますか?
多くのEOR事業者は1名からの利用に対応していますが、対応可否や条件は提供会社・対象国によって異なります。
Q. EORの費用はどのくらいですか?
費用は国・雇用形態・提供会社によって異なるため、本記事では確定額を示しません。正確な範囲は各社の公式サイトでご確認ください。
Q. 現地法人とEOR、どちらを選ぶべきですか?
採用人数・期間・長期展開の有無によって最適な選択肢は変わります。本記事の比較表とチェックリストを参考に、自社の状況を整理することをおすすめします。
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